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ヴァンソン・ダヴィッド / パルス

Vincent David / Pulse

ヴァンソン・ダヴィッド(1974-)は、世界で最も認められたサクソフォン奏者の一人です。1996年にパリ国立高等音楽院を卒業し、続いて第三課程を修了。1994 年第1回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン)第1位をはじめ、在学中に3つの国際賞を受賞。

また優れた作曲家でもある彼は、2021 年に『In pulse』で現代音楽協会主催のコンクール「LE GRAND PRIX LYCÉEN DES COMPOSITEURS 2021」にてグランプリと作曲家賞を受賞しました。

彼の作品は高度な技術を必要とし、特殊奏法も多用されます。近年は国際コンクールの課題曲に指定されることも多く、サクソフォンの進化の最先端を更新し続けています。

今回演奏する『Pulse』は2015年7月にストラスブールで開催された「World Saxophone Congress」のために作曲された作品です。

Pulseとは、脈拍、鼓動、活力などとも訳されますが、それらを模したであろうリズムが、特殊奏法による打楽器のような音色を伴い、徐々にエネルギーを増して発展し、最後にはそのエネルギーを解放し節度なく爆発します。

一聴するとインプロビゼーション(即興演奏)かとも思わせる縦横無尽さですが、楽譜を見ると変拍子がこれでもかと組み合わされ、重音奏法の指遣いやスラップタンギングの音量設定に至るまで細かい指示が記載されており、サクソフォン奏者ならではの演奏効果への拘りと緻密さを感じます。

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